山名 | 奥穂高岳 |
地域 | 北アルプス/長野・岐阜 |
標高 | 3190m |
登山日 | 2024年9月6-8日 |
天候 | 一日目 晴、二日目 晴、夜小雨
三日目 晴時々曇 |
備考 | 標高第3位の北アルプスの盟主
日本100名山 |
山行記へ 山の写真へ 山ある記Topへ ルート 第1日 上高地バスターミナル〜河童橋〜岳沢登山口〜明神館〜徳澤園〜横尾大橋〜本谷橋〜大崩落地 〜Sガレ〜涸沢ヒュッテ〜涸沢テント場 第2日 涸沢テント場〜パノラマ分岐〜ザイデングラード取付点〜穂高岳山荘〜奥穂高岳〜穂高岳山荘〜 ザイデングラード取付点〜パノラマ分岐〜涸沢小屋〜涸沢テント場 第3日 涸沢テント場〜涸沢ヒュッテ〜Sガレ〜大崩落地〜本谷橋〜横尾大橋〜徳澤園〜明神館〜岳沢登山口 〜河童橋〜上高地バスターミナル 備考 累積標高差:約2000m コースタイム:第1日 7時間15分、第2日 6時間40分、第3日 8時間50分 ”また行くの?物好きねぇ””いやいや、せっかくの機会なんで。”夏の黒部源流部歩きに続いての 北アルプス、妻に呆れられながらも快く送り出してもらい、北アルプス最高地点へ向かったのでありました。 第0日 家にある槍・穂高の山と高原地図の古いのは'01年版・・20年以上前ですが、槍にも穂高にも行ったことはなく、 テレビで見るだけの山でした。今年こそは奥穂に涸沢でテント泊しながらのんびり登りたいと思うも、家族は 付き合ってくれる気がしないのでどうしようか・・uosuki先輩に声をかけると「行こうか」とのこと。 紅葉で混む前の9月初め、2年ぶりの沢渡第二駐車場集合で涸沢に向かうことになったのでありました。 6年ぶりに開催されたカラフェスもやっていて、奥穂だけでなく、涸沢を満喫できそうな期待感を持ちつつ 木曜日の仕事を早めに終わらせて移動・・のはずが、予定より1時間遅れで19時ごろ退社。家に戻って準備し、 食材を少し仕入れてなんだかんだで高速を走り始めたのは21時頃だったでしょうか。高速をひた走り、松本から 沢渡に向かって駐車場に着くと2時でした。少しでも寝たいのですぐにバタンキューでした。 第1日 朝、5時起床。駐車場で2年振りにuosuki先輩と再会。お久し振りの挨拶もそこそこに、準備をしてバスターミナルへ ・・と思ったら、タクシーに声をかけられ、4人だとバスより安いということで居合わせた方とともに上高地の バスターミナルへサクッと移動。バス1500円/人に対してタクシー1300円/人で、バスだと6時の便のところが6時10分前 には上高地についていたので幸先の良いスタートでした。二人とも会社を休んで遊びに来ましたが、上高地の バスターミナルには朝から人がいっぱい・・皆さん会社さぼり仲間??靴紐締めてスタート。2泊3日のテント泊装備を 40Lのザックに詰めたのでザックはパンパン。重さは水込みで14sくらいのはず。ザックの容積に限界があるので 荷物もなるべく減らしていて重量も抑えてますが、それでも重いものは重い。。河童橋から小梨平を経て明神へ・・ のはずが、小梨平〜明神間は通行止めになってました。7月の大雨で通れなくなってしまっていたようですが、 情報収集不足。。いったん河童橋に戻り、岳沢登山口を経由して明神へ。タクシーで稼いだ時間を使った感も ありますが、景色はこちらの方がいいので朝の散歩ということで。明神で朝ご飯を食べ、徳沢、横尾と長い林道歩きが 続く。明神から先は未踏の地でしたが、横尾までの道は歩きやすいものの景色もそれほど変わらず長いので 正直飽きちゃう感じでした。サクサク進むuosuki先輩としゃべってられるのが救いで、一人だともっとつらかったろうな。 横尾までで3時間弱。たくさん人がいましたが、槍方面に向かう人の方が多い感じで意外でした。上高地では 曇っていた空も明神ではすっかり晴れていて、横尾からも山並みが見えてました。しばらく休憩してから 横尾大橋を渡って本谷橋へ。少し上るようになるもののまだまだなだらかな道で、屏風岩がなかなか壮観。 後から調べると、日本最大の岸壁と言われるクライミングの聖地だったんですね。当日登っている人は 見かけませんでしたが、北岳バットレスみたいだなと思いながら見るだけで通過。横尾から45分ほどで本谷橋に到着。 本谷橋、しっかりしてるんですが思ったより揺れる。複数人が歩くと変な揺れ肩しますね。。橋を渡った先の河原が 休憩スポットになっていて、ここでもまた休憩してから本格的な登りへ。歩きやすく整備された道なんですが、 足取りが重く、uosuki先輩についていけない。。肩も痛く何度かストラップを調整。雲ノ平に行ったときは 痛くなかったんですが、妻のザックを買うときに測ってもらった背面長に合わせたらストラップがずれたようで、 調整している間にだんだんマシになって越しで支える感じに。使い方も大事ですね。。。足の方は今一つで パイセンについていくのはあきらめてゆっくり歩く。それでも、視界が開けて穂高の山並みが出てくると 気分はいいですね〜。 そして、Sガレに到着して休んでいると、上から見たことある方が降りてきました・・ 荻原編集長じゃないですか!uosuki先輩のおかげで荻原編集長との写真をゲット。なんと写真撮ってくれたのが 小林綾子さん。日焼け防止で全く顔が出てなかったのでぱっと見誰かわからない格好されてましたが、 「写真撮りますよ〜」とめちゃくちゃ自然に対応されてて、テレビの雰囲気そのままの好感度でございました。 写真が残ってないのが残念と言えば残念。元気をもらって涸沢までもうひと歩き。青空の下、穂高連峰を見ながら 登る素晴らしい道なんですが、足がもはや限界。。右足のふくらはぎの裏がつり、だましだまし歩いていると 左足のふくらはぎも釣り気味、さらに足の付け根もと、最後はヨタヨタでございました。。。これまでなったこと ない感じの状態でしたが、寝不足でぼ〜としたまま普段より早めに歩いてたのが原因?帰宅後妻に話したら、 ”私の気持ちが分かった?”と、なぜか嬉しそうでした(苦笑)。そんなこんなで何とかたどり着いた 涸沢ヒュッテ、uosuki先輩はさっそく名物のおでんと生ビール。一緒に飲みたいとこでしたが、足が攣ってるのに ビールは悪化しそうなので残念ながら我慢。テラスで休んでいると、今度は田中陽希氏登場。フェスのおかげで 山のスターに会えました。 一休みした後、テント場に移動して設営。その後はご飯を食べたり、ヒュッテで行われていたカラフェスの イベントを見学したりで20時過ぎまでのんびり過ごしました。田中陽希氏のエピソードが同じ人間とは全く思えない スピードだったり、山小屋事情だったり、登山にまつわる知識だったり、いろいろ聞くことができました。 ヒュッテの売店が充実しているだけでなく、水は無料で飲み放題、目の前には涸沢カールと穂高連峰の山並みと、 贅沢なテント場ですね。何なら自動販売機までありますし、会社休んできた甲斐がある一日。足の方も変な痛みや 攣るような感じはなくなり、普段の疲労感が残っているだけになり、明日は何とか大丈夫か?、と思いながら就寝。 第2日 翌朝、4時頃起床。まだ暗い中テントの外に出ると満天の星空が広がってました。トイレのためにヒュッテに 行くとテント場の明かりもきれい。紅葉の最盛期には桁違いのテントが並ぶらしいですが、そうでなくても なかなかでした。朝ご飯を食べている間に夜が明けていき、モルゲンロートが穂高連峰を照らす頃に奥穂に向けて 出発!パノラマルートのめちゃくちゃ整備されている石畳の道を上がっていくのですが、景色が素晴らしく 写真がどんどん増えちゃいます。ペースもパイセンについて急ぐと足つるのも怖いので遅れるのはあきらめて いささかマイペースで。。分岐からザイデングラードのとりつきに向かうあたりで常念岳も登場。 涸沢ヒュッテからだと見えなんですね。そして、6時半頃にうわさのザイデングラード到着。いよいよですね〜。 ザイデングラード、岩の道が続きますが、険しいのは鎖とハシゴが続く一ヶ所くらいでしょうか。そこはちょっと 渋滞もしてましたが、それ以外はそこまで混雑もなく、晴れていて滑る感じもなく楽しく歩けました。 ザイデングラードを抜けるとほどなく穂高岳山荘に到着。山の上にご立派な建物と石畳のテラスが広がってました。 そしてその奥に岩の塊・・来たなという感じ。山荘の中を見物しつつ休憩してから奥穂山頂に向かいます。 山荘にいる間にも荷揚げのヘリが複数回来ていて、歩いている間にも何度も見たんですが、どれだけの物資を 荷揚げするのに、いくらかかってるんだろうと思っちゃいました。目の前で見た荷揚げの分だと、重油のドラム缶と 他の荷物のセット、1回あたりの量が思ったより少ない印象も受けましたが、それの1回の輸送費が高いと大変だなと。 さて、山荘を出て見上げる岩山へ。すぐに出てくるハシゴと鎖でトラバース気味に進むところが山頂への核心部。 梯子は短いですが日が当たってないので冷たかったので、手袋すればよかったな。そのあとの鎖のところは怖く、 慎重に超えると、その先は比較的歩きやすい岩の道でした。岩だらけの世界でジャンダルムは岩の壁。その上に 日がいるのが見えるものの、行ってみたいとは全く思わないですねぇ。ほどなく山頂に到着。山頂から岩の世界を 眺めるだけで大満足でございます(笑)。uosuki先輩と山頂での写真を撮りあった後、少し奥の開けたところで 山頂からの景色を楽しみながら休憩。こうしてみると休憩してばっかですが、ようやくこれた奥穂高岳の 景色を満喫しないわけにはいかないですね〜。ジャンや焼岳、上高地側は良く見えてました。一方で、 槍や情念側は雲が出ていて見えなかったのは少し残念でしたが。しばし休憩して下山開始。下りの方が登りで 思っていたより怖い感じでしたが、やはり核心部は鎖のところ。登ってくる方をやり過ごしてから下りますが、 アンカーボルトで支えるところもあるので妻は嫌がるだろうなと思いながら下って、無事に穂高山荘に帰還。 山荘で小休止してから涸沢に戻ります。ザイデングラードの下りは思ったりより歩きやすく、下りは 奥穂山頂から山荘までの方が慎重になる道でした。こういう道では荷物が軽いって素晴らしい。テン泊装備だと こうはいかないんだろうな。下りは分岐からパノラマコースでなく涸沢小屋に向かい11時頃到着。無事登頂を 果たし、早速乾杯しながらお昼ご飯。この日は足の調子も問題なく、ビール日和でございます。チャーシュー麺は 正直なところ太郎ラーメンより美味しかったな。カールを眺めながらデザートのソフトクリームまで頂ける涸沢 小屋、中々いいところでございます。ジョッキパフェなるご褒美メニューもあるんですが、食べられなそうで 断念でした。しばしまったりした後テントサイトへ帰還。横尾まで下りる時間があるといえばあるものの、 天気が持ちそうなので、涸沢で山時間を満喫することに決定。ヒュッテのテラスでぼーとしたり、テントで 寝転がったり、テラスでuosuki先輩にワインをもらったり。陽がまともに出ると暑くて寝てられませんが、 ちょうどいい感じに涸沢カールは見えているのに太陽は雲で隠れている時間も長く、近況を語ったりしながら 優雅なひと時でした。アルコールも回ってすっかりいい気分で、暗くなったらそのまま就寝でした。 第3日 最終日も4時頃起床。夜、雨が落ちてきてましたが、4時の時点で雨は上がっていて、撤収したり朝食食べたり している間に雲がだんだん上がっていき、再びきれいなモルゲンロートを見ることができました。天気が安定しない 日々が多い今年な印象でしたが、3日間天気に恵まれて大満足。6時前に下山開始。登りの時にはどこがどこやら よくわからなかった涸沢カールの景色を振り返りながら下っていく。本谷橋の河原で一休みしつつ明神、徳沢と 戻っていきますが、徳沢ではカラフェスの最終日のイベントがまだやっていて、メーカーのブースで試供品を 色々もらえました。単調な林道歩きの間にイベントがあるとありがたい。徳沢から明神の間で3世代なんだか 4世代なんだか、かなりの幅で歩かれているご家族に遭遇。小さい子のザックが膝くらいまであるんじゃないかという 大きさで頑張ってるなーと印象的でした。明神館の前で休んでいるときに少年も到着。歩いている時は元気なさげにも 見えましたが、お兄さんに疲れたーと言いながら元気にしゃべってる姿を見て安心。山歩きどう感じてるんだろうな。 明神からは再び明神橋を渡って岳沢登山口を経て河童橋へ。ようやく長い道のりが終わり、上高地でお土産を 買ったらバスで沢渡第二駐車場へ。明神〜横尾間がもう少し短かったらいいなと思いますが、初涸沢・奥穂高岳を 好天の下満喫できた山行でした。uosuki先輩にもお世話になりまくりでしたが、懲りずにまたどこかに付き合って ください〜。上高地〜横尾間の長い道のりは一人だともっと飽きちゃいますねぇ。初日はつって大変だった足は 2日目以降は通常モード。足の裏の痛みは出るものの、黒部五郎から折立の時に比べると全然まし、3日に分けて のんびり歩くくらいが体的にはやっぱり楽ですね。下山後、駐車場の目の前の温泉に入って汗を流した後、郡山へ。 断続的に前が見えないくらいの土砂降りに遭いつつ18時頃に郡山に到着。しっかり遊んだので、まじめに仕事しないとと 思ってはいたんですが、よく水曜日から発熱でダウン・・病院の検査では陰性だったもののコロナにしか思えない 症状で病院でもまだ反応しないかもよと何度も言われたのでコロナと思うも、山で密になるとこもなかったので、 どこで感染したんだろ。。。最後のオチが微妙でしたが、2泊3日のテント泊だと40Lでなく50Lでないと厳しいか?、と 物欲も湧きつつ重いと歩けないからこのままかとブツブツ(笑)。 2024.9.21記 |