羅臼岳('97.08)



山名羅臼岳
地域北海道/知床半島
標高1661m
登山日1997年8月26日
備考知床連山の主峰
日本100名山

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    ルート

    岩尾別YH〜岩尾別温泉〜長官山〜羅臼平〜羅臼岳山頂〜羅臼平〜長官山〜岩尾別温泉 〜バス〜ウトロ港〜バス〜斜里駅へ

     備考  標高差:1600m  コースタイム:8.5時間

    山行記


     北海道へ青春18切符で旅行へ行った際に、現地で思い立って登った山。泊まったYHのツアー みたいな感じだったので大人数で楽しく歩けた。荷物も重く、いっぱいいっぱいだった のを良く覚えている。

    第1日

     大学3年の夏の終わり、青春18切符を持って北海道へ1人旅に出かけた。何はともあれ知床へ 行ってみたいと思い、延々電車を乗り継ぎ、斜里からはバスに乗り換え念願の知床半島へ辿り着く。 泊まったYHでたまたま羅臼岳登山ツアーをやっていることを知り、翌日YHのメンバー10数人と 知床半島の最高地点を目指した。岩尾別YHでは他にもいろいろなツアーが組まれており、 時間があれば何日か泊まって知床を満喫したかった。宿自体はいかにもYHといった感じのところで、 北海道を周るライダーさんを始め多くの旅人で賑わっていた。

     早朝、快晴の下、岩尾別YHを出発。前日までの旅行中ずっと天気が悪かったが、 ようやく天気に恵まれた。YHのツアーと言っても特にガイドがいるわけではなく、 (一応、ちょうど休みをもらったYHのヘルパーさんがいたが、登るのは初めてだか2回目だかだった。) 話をしながらただひたすら山頂目指して歩くのみ。まずはYHから岩尾別温泉まで舗装された道を歩く。 何も知らずに歩き出したけど、結構温泉が遠い。いつもならバスです、まず間違い無く。 温泉のすぐ横に登山口があり、土の道を歩き始める。しばらくは展望の無い樹木の中を歩く。 知床半島だけあって、“ヒグマ注意”の看板があり、 登山者はザックにヒグマ除けの鈴を付けている人がほとんど。 このときは大勢で話しながら登ったので、ヒグマも寄って来ないだろうと思ってたけど、 1人で静かに登るとほんとに出くわしかねない、大自然広がる知床半島。

     しばらく登っていくと弥三吉の水場があり、休憩。ひんやりとした水が気持ち良い。 水を飲んでいる人もいたけど、エキノコックス病が怖くて飲めず。多分大丈夫なんだろうけど。 最近は北海道だけでなく、青森とかでも見つかったということで、 山で湧き水を飲むのもだんだん怖くなってきてしまった。 弥三吉の水場から再び羅臼平を目指しての登り。結構急な所もあり、きつかった。 さらに旅の荷物を全部担いだまま登ったので、ザックの重いこと。 大沢の辺りに着いたときに、“もうだいぶ来たよ〜”って言う下ってきた人の声と、 周りに咲いていた花に励まされた。もうどんな花が咲いていたのかは忘れてしまったけど、 黄色い花は咲いていたように思う。

     羅臼平は開けたハイマツの原っぱで、岩場の山頂もすぐそこに見える。天気がいい日だったので、 空の青とハイマツの緑のコントラストがとても綺麗だった。が、すぐそこに見えた山頂までの道、 これが岩場の道で結構侮れない。食料をYHでもらってきた弁当しか持ってなかったので、 燃料が切れてしまい、早く弁当を食べたい一心で登った。一緒に登った連中も同じようなもので、 腹減ったなーなどと言いながら登ってた。また、山に登ったことが無いような女の子は かなり四苦八苦しながら岩場を登ってた。みんな登ってるからと言っても ある程度気合入れないとつらいとこ。まあ、そんなこんながありながらも無事全員登頂を果たし、 念願の昼食。この時ばかりは定番のカップラは無し。でも、そんなことはどうでも良くなるような 山頂からの見事な展望だった。硫黄山や羅臼湖を始めとする知床半島はもちろんのこと、 オホーツク海や、その中に浮かぶ歯舞、国後の北方領土もはっきり見えた。 知床半島は保護がしっかりされているだけあって人工物がほとんど目に入らず、 緑の濃さが印象的だった。また、北方領土はそこを日本というべきかロシアというべきかは 微妙なとこだけど、気持ち的には初めて外国を見たって感じだった。国後島、予想外にでかかったし。

     リスがちょこまか走り回っていた山頂を後にして来た道を戻る。山頂は岩場だけどそこそこ広く、 結構大勢の人が休んでいた。帰り道は下りなのでさすがに楽。 当初の予定通り全工程8時間ちょっとで岩尾別温泉まで戻った。ここで休憩しながらバスを待つ。 帰りはさすがに誰も歩いてYHまで戻ろうとは言わなかった。YH横のバス停で僕以外はバスを降り 僕だけはそのままウトロ港へ。もっと皆と知床で遊びたかったなー。 ウトロ港でバスを乗り継いで斜里駅に向かうとき、ちょっと時間があったのでウトロのオロンコ岩に登り、 知床連山を振り返った。ちょっと切ない気分に浸れる時間。斜里駅に向かうバスの中から見えた、 オホーツクに沈む夕日がまた一段と旅愁をかきたててくれた。今でも忘れられないぐらい、 ほんとに綺麗だったなー。

     後日、一緒に羅臼岳に登ったメンバーの2人から写真が送られてきた。1人は山の写真を、 1人はアルバムの最後に載せた知床の写真なんかを。彼らを含めて、今頃どうしてんのかな。 このときはいつもと違って大勢で、しかも初対面の人達と歩いたのでいろいろ新鮮な山歩きだった。 また北海道の大自然の中を歩きたいと思う。ヒグマはちょっと怖いけど。

    2002.11.3記

    羅臼岳関係リンク

    知床自然体験ビレッジ ・・・岩尾別YHのHP。各種知床ツアーの案内もある。
    斜里町商工観光課 ・・・斜里町商工観光課のHP。知床の情報満載。

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