安達太良山('98.10)



山名安達太良山
地域福島
標高1700m
登山日1998年10月4,5日
備考日本100名山

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    ルート

    第1日 仙台駅〜JR〜二本松駅〜バス〜岳温泉〜タクシー〜奥岳〜勢至平〜くろがね小屋 〜峰の辻〜安達太良山頂(乳首山)〜くろがね小屋
    第2日 くろがね小屋〜安達太良山頂〜牛ノ背・馬ノ背〜鉄山〜笹平〜箕輪山〜鬼面山 〜野地温泉〜バス〜福島駅〜JR〜仙台駅

     備考  標高差:750m(第1日)650m(第2日) コースタイム:4時間(第1日)5時間(第2日)

    山行記

     小屋泊まりで行った山行の第2回目。安達太良連峰を縦走するコースを歩いた。 泊まったくろがね小屋は温泉が湧いているため、山の上で温泉に入るという贅沢を楽しめた。 いちおう友人の卒論に協力するという目的もあったような、なかったような。

    第1日

     5時53分発の始発電車に乗り仙台から二本松駅へ。二本松でバスに乗り換え、まず岳温泉へ。 さらに乗り換えてだけ温泉から奥岳温泉へ・・・となるはずだったが、バスが見当たらない。 結局、バスの出発地点が変わっていたため奥岳行きに乗り遅れ、次のバスは2時間後。 持ってった帽子は乗ってたバスとともに走り去ってしまうし・・・。 しょうがないのでタクシーに乗り奥岳は安達太良スキー場へ向かう。 岳温泉は鄙びた温泉街といった感じで、なかなかいい感じだったけど。

     奥岳の登山口よりジープ道を歩いたり横切ったりしながら勢至平へ。あいにくの曇り空で、展望は 開けていなかったが、紅葉シーズンの日曜日だからか東北の山にしては多くの人が 山頂を目指して歩いていた。子供会かなんかみたいな小学生の一団も歩いていたっけ。 紅葉は始まったところといった感じ、山はまだら模様に色付いていた。

     勢至平からしばらく登って今夜の宿くろがね小屋へ。途中紅葉の中に滝が見えるポイントが いい感じだった。くろがね小屋付近には多くの人がいて、昼食を食べており、僕らも昼食を食べることに。 今回はいつものカップラーメンではなく、レトルトカレーを食する計画だった。 で、鍋に水を入れ、パックを温め始めたが、全然あったまらない。 そりゃ、半分ぐらいしか水に浸かってないんじゃなー(写真参照)。しばらく我慢したが結局待ち切れず、 今ひとつ冷たい状態のまま食べた。

     くろがね小屋に荷物を置き、身軽になったところで山頂に向かう。峰の辻を経て 安達太良山頂となっている乳首山へ。名前通りの形をしている。この山頂が、風が非常に強く、 えらく寒かった。曇り空のため周りの景色も見えず、早々に退散した。小屋に戻って温泉に浸かる。 山の中で温泉に入れる贅沢。冷えた体にとても心地よかった。湯船はヒノキか何かの小さなお風呂。 小屋の内部は趣のある感じで結構良かった。部屋は数人ずつの相部屋になっていて、 僕らの部屋は僕ら2人のほかに中高年の夫婦の方が2組いらしてた。特にすぐ隣になったご夫婦と 話をしたのだが、ご主人が定年されてからシルクロードをバスで旅行したことや、ヨーロッパでの話、 アルプスの山々への登山など羨ましいばかりの生活を伺った。特にシルクロード、いつか行ってみたい。 そして山小屋の楽しみの一つ、晩御飯・・・この匂いは・・・ああ、なんと言うことか、 カレーが待っているではないか。ほんと昼にカレーをなんて考えるじゃなかった。 しかし、温かいカレーは当然昼のカレーより美味しく、他の山小屋の(山小屋としては) 豪華な夕食に慣れてる様子の方々の“カレーかー”などという声も、 昨年の鳥海山荘で山小屋の食事は質素なものなんだと思い込まされていた僕らの耳に入るべくも無く、 3杯ずつお替りして食べた。いやー、食べ放題(?)って素晴らしい。温泉とカレーで1泊4570円だったし。

    第2日

     早朝4時過ぎ、月明かりしかない真っ暗な中、小屋を出発し、御来光を拝むために山頂を目指す。 小屋から少し登り、ガレ場に出たところではたと気付いた。道が分からん。 そう、ガレ場のため、登山道が特に無く、真っ暗なため目印もなし。昨日、日のあるうちに歩いた時には 何も思わなかったけれど、闇は恐ろしい。昨日の記憶を頼りに歩くうちに夜が白々と明け始め、 1時間ちょっとで無事山頂にたどり着くことが出来た。1度歩いといてほんと良かった。 ここから日の出を待つ・・・寒い・・・待つ・・・寒い・・・寒い。 10月の山頂で、日の出を待つこの寒さ。そりゃ他に誰も来んよ。岩陰で耐えてました。 寒さと風に震えて、カップラーメンも待ち切れずに食べるっての。 そうこうしているうちにようやく朝日が。太陽の偉大さを感じる瞬間。 そして、昨日とはうって変わって晴れ渡る空。朝日に照らされた稜線がまさに輝いていた。 周りには昨日は見えなかった磐梯山や吾妻連峰も姿を現し、ようやく早起きと寒さに耐えた 甲斐が出てきたというもの。

     日の出とともに山頂に歩いてくる人が現れ、同部屋だったご夫婦にも再開。りんごを頂いた。 安達太良山にしては珍しいほどの快晴だとのことだった。ご夫婦と別れ、7時頃縦走開始。 牛ノ背から馬ノ背を歩いていくと、荒涼とした沼ノ平が眼下に広がっていた。 歩きに行く2、3年前に有毒ガスで死亡したグループも出た活火山だけあって、 いささか不気味な雰囲気もある火口だった。全体的に安達太良山頂付近は木が無く、 荒涼とした豪快な感じのする山。鉄山を経て箕輪山へ。笹平から吾妻連峰にかけての 眺めも素晴らしかった。箕輪山頂からは磐梯山も大きく見え、しばし休憩。 山頂であったおばさま方にはみかんを頂いた。ほんと皆さん重いのに果物やお菓子を ちゃんと持って上がってらっしゃる。そういえば、箕輪山て象の顔に見えたんだけど、 箕輪に像って意味は無いのかね?

     箕輪山からは潅木の中を歩いて鬼面山へ。滑りやすく、やや歩きにくい土の道。 鬼面山山頂にて今回の新企画第2弾、レトルトピラフを作る。パックの中身に水をかけて 炒めるというものだったと思うが、これがまたいけてなかった。やっぱり山で食べるのは カップラーメン&おにぎりが1番だと痛感した次第。鬼面山から旧土湯峠を経て野地温泉へ下山。 ここから福島駅へのバスは1日1本しかないため、昨日の様にバスに乗りそこなうと悲惨なことになるので、 しっかりバス停の場所と時間を確認してから野地温泉ホテルに向かった。

     野地温泉ホテルは辺鄙な山の中にある割に大きな建物で、大浴場や露天風呂も綺麗で快適だった。 平日の昼間ということもあってか、空いてて貸切り状態だったし。 800円というお値段がちょっと高めだったけど。しばらくバスを待って無事福島駅へ。 福島駅から電車に乗り換え仙台へ戻る。2日目に好天に恵まれ、無事ご来光と素晴らしい景色が拝め、 温泉でもくつろぐことの出来た、なかなか良い山行だった。この山行のおかげで友人も無事卒業できた (はず)。

    2003.1.5記

    安達太良山関係リンク

    くろがね小屋 ・・・くろがね小屋のHP
    あだたら高原 ・・・あだたら高原富士急ホテルのHP。あだたら高原のゴンドラの情報がある。
    野地温泉 ・・・土湯温泉旅館事業協同組合のHP内にある野地温泉の紹介ページ。

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