仙丈ケ岳・甲斐駒ケ岳('15.09)



山名仙丈ケ岳・甲斐駒ケ岳
地域南アルプス/山梨・長野
標高3033・2967m
登山日2015年9月19-21日
天候一日目 晴のち曇、二日目 晴時々曇、三日目 晴
備考仙丈ケ岳 カールが特徴的な穏やかな山容の山
甲斐駒ケ岳 日本の駒ケ岳の最高峰、山頂部の白い花崗岩が特徴的         
日本100名山/花の100名山(仙丈)

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    ルート

    第1日 北沢峠〜長衛小屋キャンプ場〜仙丈ケ岳二合目登山口〜薮沢大滝ノ頭〜小仙丈ケ岳〜仙丈ケ岳 〜仙丈小屋〜馬の背ヒュッテ〜薮沢小屋〜薮沢大滝ノ頭〜長衛小屋キャンプ場
    第2日 長衛小屋キャンプ場〜仙水峠〜駒津峰〜六方石〜甲斐駒ケ岳〜六方石〜駒津峰〜双児山〜北沢峠こもれび荘 〜長衛小屋キャンプ場
    第3日 長衛小屋キャンプ場〜北沢峠


     備考  累積標高差:約2400m  コースタイム:第1日 7時間30分、第2日 7時間10分、第3日 10分

    山行記

     “シルバーウィークは南アルプスだね。”“・・・どれくらい大変なの?”“立山で浄土山まで歩いたくらいかな。” “・・・そんなに歩けるかわからないんだけど。”“いざとなればキャンプ場で休む手もあるし”“・・・ 暇なんですけど。”“夏より涼しいし歩けるんじゃないかな〜。”“・・・適当じゃない?”

    第0日

     夏休みに行こうと思っていたものの行き先を立山に変更したので、シルバーウィークに再計画。カレンダーは 6年振りの5連休ですが、予定的には2泊3日で行きたいので金曜夜発の仙流荘前泊で仙丈ケ岳に初日、甲斐駒ケ岳を 2日目に登るプラン。夏休みに立山で寝不足で高山を歩いた1日目がしんどかったので、少しでも睡眠を稼ぐため 会社終わりに嫁さんに迎えに来てもらいそのまま高速道路に直行し一路仙流荘を目指すことに。18時出発のつもりが 19時発になってしまい出だしで1時間のロス。パッキングしたザックは前日から車にin、日中に嫁さんに 買い出ししてもらい、早く帰るために会議を抜けだして作業・・・山のためにはいろいろ努力を惜しまず(笑)。 会社から直行したのは北海道行くためのフェリーに乗るのに早退した時以来でした。

     さて、上河内SAで夕食を食べて、東北道から北関東道、上信越道、長野道、中央道と乗り継いで伊那ICから 仙流荘へ。嫁さんと交替しつつ、睡魔と闘いなんとか仙流荘に到着したのは12時過ぎでした。バス停横の駐車場に まだ空きがあり、寝る準備をして0時半ごろ就寝。子供たちは20時ぐらいからずっと車の中で寝てましたが。。

    第1日

     翌朝は5時頃起床。バスの始発が6:05となっていましたが、準備をしていると5時過ぎからバスが走って行くのを 見かけました。ヤマレコ見ていると一番早いバスは5時前から出ていたようです。家族も起きて準備が整って バス停に並んだのは5時50分頃でしたが、バスが出払ってしまったらしくなかなかバスが来ません。。。 結局バスに乗れたのは6:35で、予定より30分遅い出発となりました。5:45分ごろにバスが出発していたので、もう少し早く バス停に並べると早くに出発できたんですが起きられず。前日の出発が1h遅れたのが響いたかなと。 折り返し運行で戻ってきたバスに乗るので、時刻表があって無いようなものになってましたが、6:05より後から切符を買うと、 正規の時間まで乗れなそうな雰囲気だったので混雑期でも時刻表は意識して向かったほうがよさそうです。 そして朝はバスの定員が埋まり次第出発してそうなので、5時前から並ぶと早くに出発できるようです。

     さて、乗り込んだバスからは快晴の空のもと遠くに中央アルプス、近くに仙丈ケ岳、鋸岳、甲斐駒ケ岳と向かう南アルプスの 山を運転手さんの解説付きで眺めます。途中から眠くて外を見れませんでしたが。7時20分頃に北沢峠到着、林道を歩いて 長衛小屋のキャンプ場まで歩きます。10分ほどでキャンプ場につくとすでに上段は満員でした。受付を済ませて我々は中段へ。 ちょうどいい広さで空いているスペースがあり、ステラリッジを広げてサクッと設営。林間のキャンプ場で展望がないと 勝手に思ってましたが、小千丈と摩利支天が顔をのぞかせていて明るい川沿いのキャンプ場でした。青空のもとにそびえる 小千丈に期待を膨らませて8時半頃キャンプ場を出発して仙丈ケ岳に向けて出発。ほんと天気が良かったんですよ、この時間帯 までは。。。

     仙丈ケ岳2合目登山口から少し歩くと北岳展望台があり、日本第二位の高峰の尖った姿がきれいに見えました。北岳を含む 白峰三山も行ってみたいですねー。北岳展望台から二合目を経て大滝ノ頭までずっと林間の土の道を登っていきます。 二合目を過ぎると急なところもありますが、歩きやすい道。展望はあまりないので子供たちとしりとりをしながら歩くも、 手強くなったユンのおかげでなかなか終わらない。。“ル”の攻撃をやりあった末に辛くも勝利しました。そんなこんなで 歩いていたら嫁さんが調子が悪いとアラーム。しばらく歩くもペースが上がらず、仙丈ケ岳まで登ってくるには時間的にも 厳しくなってしまうので子供と三人で山頂を目指すことにし、大滝ノ頭の手前で嫁さんとは別行動に。嫁さんは小仙丈ケ岳まで 行ければということで話をしたものの、結局6合目あたりで引き返し、先にキャンプ場に戻った後は我々が戻るまで昼寝をして 休んでいたとのこと。昨年の白山でも初日は室堂で頭が痛いと休んでいた嫁さん、体調が今一つというのに加えて高山病に近い 状態なのかも。寝不足で一気に標高が上がるとしんどいので、3000m級の山に登るときは初日の工程をもっとゆとり持たないと 厳しいのかもね。

     嫁さんと別れた男三人、森林限界を超えて大展望と思ったらガスが湧いてきてしまい、向かいの甲斐駒ケ岳も見えない。。。 小仙丈ケ岳に着いても仙丈ケ岳の姿はガスに巻かれてなかなか見えず、一瞬姿を現すくらいでした。朝の青空はどこへ。。。 小仙丈ケ岳に着いたのが12時前だったので昼食休憩。パンを持ってきたのだが甘いパンに食欲が進まず。。特に子供たち用の 妖怪ウォッチパンが大不評で四苦八苦しながら何とか食べてました。行動食代わりに甘いお菓子を食べたりしているので、 食事は総菜パンやおにぎりとかの方がいいようです。おにぎりよりパンのほうが日持ちするので2泊3日とかだと持っていきやすく 選んでいたのですが、子供たちはカップラーメンも食べないし昼食は難しいです。パンを食べた後、気を取り直して仙丈ケ岳まで カールを眺める稜線を進みます。アップダウンがあり多少岩場もある道ですが、晴れていたら仙丈ケ岳はもちろん、北岳・間ノ岳を はじめとした南アルプスの山々を見ながらの最高のひと時だったはず。この日はガスのベール越しにちらちら見える仙丈ケ岳を 眺めるくらいでしたがそれでも楽しい稜線歩き。ただ、ユンは少し頭が痛いと言ってペースも上がらず休み休み仙丈ケ岳まで たどり着きました。最近にしては珍しくしんどそうだったユン、足が辛い訳ではなかったようで、これも高山病気味だったのかなと。 リョンは特に辛そうなそぶりもなく山頂に到着。ぶつぶつと一番文句が多い割に強い次男坊です。

     13:15に仙丈ケ岳山頂に到着。それほど広くない山頂、昼食食べる人や休憩する人がいましたが、人気の山の割には人が少ない 気がしました。登った時間が遅かったせいでしょうかね。山頂でおやつを食べて休憩してから藪沢カールに立つ千丈小屋へ。 山バッチを買い、トイレ休憩をしましたが、山小屋の方に長衛小屋のキャンプ場まで戻ると言ったら、“もっと早くに来ないと だめだよ。”と言われちゃいました。朝一から歩けると良かったんですが、バスに乗り損ねたり設営したりで今回は限界でした。 14時前に小屋を出発し、馬の背ヒュッテ、藪沢小屋、大滝ノ頭とどんどん下山します。何度か渡渉する場所があり、足を滑らせ ないように気を付けるところがいくつか。下りの最後のほうは足も疲れてきましたが、あまり休憩も取らず歩いて16時に下山。 下りはコースタイムより早く下りたので、正直嫁さん一緒に歩いてたら時間的に厳しかったかな。。。日が暮れてしまった時のために ヘッドライト持ってたけどなるべく使いたくないですね。

     サイトに戻って嫁さんと再会してから早速夕食の準備。1日目のメニューは鍋キューブとカット野菜で簡単とんこつ味噌鍋と 早茹でペンネのミートソース、ソーセージ。鍋キューブ、軽いし量の調節もしやすくていいですね。嫁さんや子供達にも好評でした。 ソーセージをつまみにビールと思っていたものの少し頭が痛くてアルコール飲むとやばそうな気がしたのでノンアルコールビールに変更。 ビールに加えてノンアルコールビールまで売っている長衛小屋、にくいですねえ。夕食食べてまだ日が暮れぬ18時過ぎにテントに 入り、しばらくして就寝。眠さと疲れで家族一同早い就寝となりました。

    第2日

     2日目は5時頃起床。隣のテントで3時頃から動く音がして目が覚めたりしましたが、しっかり寝て寝不足も解消されスッキリした 目覚め。朝ご飯はα米で簡単に。何だかんだ準備を終えて甲斐駒ケ岳に向かったのは6時半過ぎでした。6時出発のつもりが やや遅いスタート。。摩利支天はガスの中でテンションが今一つ上がらなかったもので(笑)。仙水峠まではずっとなだらかな道で、 仙水小屋の先から突然岩の斜面が出てきて視界も開け急に世界が変わった感じでした。ガスもなくなって青空が広がり、 小仙丈ケ岳も見えテンションが一気に上がります。山で見る青空、ほんといいですわ。仙水峠で小休止してから駒津峰へ・・・ 急に急登が始まりペースダウン。木々の合間から見える栗沢山にだんだん雲がやってきていて、昨日のように視界が雲に覆われる のを心配しつつ標高を稼ぎます。仙水峠から1時間半かけて駒津峰に到着。雲がかかったりなくなったりしてましたが、 仙丈ケ岳や北岳、間ノ岳といった南アルプスの山や伊那市街に雲海となかなかいい景色。そしてやはり一番は甲斐駒ケ岳の かっこいい白い岩肌輝く姿。立派な三角の山容、日本の駒ケ岳最高峰の山は男前です。

     少し遅れて到着した嫁さんと一緒に甲斐駒ケ岳の山頂を目指して稜線の道へ。六方石からは直登コースと巻道コースがありますが、 登りに直登コース、下りに巻道コースを歩くことにして岩場をよじ登ります。身軽なリョンはサクサク岩場を登っていく。 岩が大きくてよじ登るのが難しいところで一度持ち上げましたが、それ以外は手を貸すこともありませんでした。ユンももちろん 自力で登りましたけどね。天然のアスレチック、少し危険なところもありますが雨も風もないので楽しい道でした。悪天候だと 歩きたくないですね〜。11時頃に山頂到着、広い山頂は大勢の人でにぎわってました。頭上は青空なのに周囲は雲で展望は 今ひとつでしたが、皆さん達成感からか笑顔。我が家も少し遅れて到着した嫁さんとともに笑顔で証拠写真を撮影。普段あまり 写真に写りたがらない嫁さんも、この日ばかりは“しっかり証拠を残さなきゃ!”と張り切っておりました(笑)。 仙丈ケ岳では途中で断念した嫁さん、頭痛を訴えたユンもこの日は順調。良く寝て高所にも順応したようです。 昼食は前日に続きパン、総菜パンを取り合い菓子パンを押し付けあう戦いを終えて休憩終了。何だかんだで50分ほどの大休憩 でした。

     下山は巻道コースで六方石まで戻り、駒津峰へ。摩利支天は時間と体力の無さからパス。駒津峰で甲斐駒ケ岳の雄姿をしばし 眺めてから双児山から北沢峠へ下るコースへ。南アルプスの山並みを見ながら下る道はいい感じですが、疲れた足に双児山への 登り返しはちときつかったです。双児山からは展望のない林の中に入り、標高差600mを一気に下ります。仙水峠から駒津峰の 登りもきつかったですが、北沢峠から双児山までの登りもしんどそう。疲れて早くゴールしたくなり、双児山からは嫁さんを おいて男三人先行して15時過ぎに北沢峠に到着でした。嫁さんは20分ほど遅れて15時半頃到着だったでしょうか。 林の中の苔むした雰囲気と山頂付近の白い岩肌やザレ場、仙水峠前の岩場の道や仙水小屋付近の沢沿いの道、色々な景観があり 展望も良好といい山です。日本の駒ケ岳最高峰として人気なわけです。3000m峰に二つ登れる好立地でもあり、北沢峠が 賑わうのも納得。

     しっかり歩いて満足した我が家、そんな北沢峠にあるこもれび山荘でご褒美タイム(笑)。山バッチに加えて、 子供たちはスイカバー、嫁さんはカフェオレ、私は生地ビールと思い思いのものを注文して至福のひと時。おでんも 食べたかったですが、軽食タイムは14時まで・・・健脚でないと軽食には間に合いません。。。それにしても山の中で 下山してすぐ美味しいものにありつけるのは嬉しいものです。しばし休憩して16時15分頃キャンプ場に帰還。歩みの遅い 我が家、出発してから10時間近くかかりました。長衛小屋に山行時間のアンケートがあり、4時間以内とかびっくりする時間の 方がいましたが我が家には考えられませんねえ。北沢峠から戻るときに少しお話したご夫婦、我が家と逆で前日甲斐駒、 この日は千丈だったよう。千丈のカールが良かったとのこと。自分には甲斐駒の立ち姿が良かったですが、仙丈ケ岳は 天気の良い日に再訪したい心残りの山というところ。

     キャンプ場に戻るとすでに夕暮れなので急いで夕食の準備。2日目のメニューはさんまのかば焼き丼に即席わかめスープ、 魚肉ソーセージ。昨日買わなかった長衛小屋のビールも追加。食後のデザートにおしるこもつけてお腹いっぱい。 家族もしっかり食べてくれましたが、ユンはお汁粉のあずきがおいしくないと。あずきの無いお汁粉なんてありませんけど ・・・。餅がない即席品ですけどね。そして2日目も夕食後19時前にあっさり就寝。早寝早起きにもほどがある早寝っぷりですが、 眠くて起きてられませんでした。

    第3日

     夜目が覚めて外を見るときれいな星空。2時、3時頃から起きだす人の物音もあり、1日目ほど熟睡しないままうつらうつら しながら朝を迎える。前日に寝不足解消したので、2日目連続10時間は寝てられなかったようです。夜が明けてきた5時頃に 起床しまずは朝食ようにお湯を沸かします。小千丈や摩利支天を眺めながら次に起きてきたユンとのんびり待ちます。 α米が出来上がる頃に嫁さんとリョンも起こし、朝食を食べたら撤収作業開始。結露でテント、マット、寝袋いずれも濡れて ましたがそのままザックに詰め込み6:45にキャンプ場を出発。7:20の下山バスに無事間に合いました。次のバスは10時なので のんびり撤収プランもありましたが、早く下山してお風呂に入るプランで家族の意見は一致でした(笑)。下山時も運転手さんの 解説付きで車窓の景色を楽しみ、今度は鋸岳の鹿の窓もしっかり確認。8時頃仙流荘に戻り山行終了となりました。 駐車場は満車、田んぼ横の農道までびっしり車で埋まってました。

     さて下山後のお風呂ですが、残念ながら仙流荘の日帰り入浴は10時からで入れず他の伊那市内の温泉も同様。しょうがないので 仙流荘を出発して諏訪SAへ。ここは温泉のあるSAで休日は9時から営業してます。諏訪湖を眺めながら二山歩いた汗を流して さっぱり。お風呂の後はフードコートで腹ごしらえ。山の食事も美味しいけど、下山してからのお風呂や食事もいいもんです(笑)。 その後は郡山までひた走って16時後に帰宅。山歩くのも疲れますが、往復のドライブがよりしんどい。アルプスを目指すと北でも 南でも400〜500q走行は必須ですからねえ。北関東道ができてなかったらもっとしんどいので北関東道万歳です。 そしてこの日は嫁さんの誕生日でもありました。**回目の誕生日を記念し、夜は行ってみたかった焼き肉屋(和牛ホルモン  文吾商店)へ。期待通りの美味しさで、ここでもお腹いっぱい食べて満足〜。昼、夜と食べてばかりの一日でした。 歩いて消費したカロリー以上に摂取したことは間違いないでしょう(笑)。嫁さんの誕生日時期は秋晴れで山行にはよい時期、 2年前は日光白根山、昨年は磐梯山を歩いてましたが、誕生日記念山行は恒例行事になりそうです。

    2015.10.4記

    山歩き中のキャンプ場
    2015年9月19-21日 長衛小屋キャンプ場

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