宮之浦岳('16.05)



山名宮之浦岳
地域屋久島/鹿児島
標高1936m
登山日2016年5月5日
天候
備考洋上のアルプス屋久島の最高峰。
日本100名山

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    ルート

    第1日 淀川登山口〜淀川小屋〜花之江河〜投石平〜栗生岳〜宮之浦岳〜栗生岳〜投石平〜花之江河〜 淀川小屋〜淀川登山口


     備考  累積標高差:約800m  コースタイム:8時間30分

    山行記

     “宮之浦岳、上級向けって書いてあるから白谷雲水峡はどう?もののけ姫の舞台だって。”“やだ。やっぱり 最高峰に行かないと。”“じゃあ縄文杉は?”“縄文杉コースは距離も長いし、宮之浦岳と変わらないって。” “・・・。じゃあ、無理そうだったら途中で待ってるから。”“まあ、早朝から歩いて時間取るし。” 九州最高峰に怖気づく嫁さんですが、行かないわけにはいきません(笑)

    第3日

     高速船で宮之浦港に到着。船を下りるとレンタカー屋のスタッフが迎えに来てくれてました。お店に移動して 手続き。ちょうどキャンセルされた方がいて借りることが出来た貴重なレンタカー、GWは2ヶ月前から満車の 店もあり、この日は朝登山口に行くタクシーも予約できないくらいだったとのこと。島で交通手段が限られるので 混雑期は注意が必要なようです。レンタカー屋の向かいにあったスーパーでアイスを買って、食べながら この日の宿、永久保さんに向かって一本道を走ります。半袖が似合う暑さでした。

     屋久島空港を過ぎてしばらくすると民宿永久保さんに到着。きれいな一軒家で、民宿よりペンションのような感じ でした。気さくなご夫婦のお出迎えを受け、島の説明をしばし〜ウミガメ見学は予約が必要らしいです。 部屋に荷物を置いて、再び雨具を乾燥。人の方は早めにお風呂を沸かしてもらって汗を流したら19時の夕食まで しばしまったり。郡山を出発してから移動の連続だったので、しばしの休息で明日に備えて体力回復です。 夕食はカンパチの刺身にトビウオの焼き物、イカの煮物、ハンバーグなど盛り沢山でお腹いっぱいになりました。 子供達は大人と同じメニューで食べきれませんでした。トビウオは揚げ物が多いらしく、焼き物で出てくるのは 少ないらしいですが美味しかったです。宿の方に“明日頑張ってね”と声をかけられた子供達、“ハイ。”と 答えておりました。

    第4日

     3時半起床で荷物を車に積み、まだ真っ暗な4時に宿を出発。淀川登山口に朝5時過ぎに到着。駐車場は満車だった ので登山口から少し下の路肩に駐車。暗い山道をレンタカーで走るのはちょっと怖かったです。途中通った屋久杉 自然館前では多くの登山者がバスを待っていましたが、縄文杉に向かう方々だったんでしょうか。宮之浦岳も縄文杉 もコースタイムが長いので皆さん朝が早いですね。淀川登山口も賑わっていましたが、我が家も5時半にその中の 一組として出発です。夜は開けて、木々の上に快晴の空が見える爽やかな朝、緑の中を歩きます。なだらなかな 土の道ですが、若干登ったり下ったりを繰り返しながら45分ほど歩くと淀川小屋に到着。体が起きてきたところで 朝ご飯です。港の売店などで買ってきたおにぎりや助六を食べてエネルギー補給。淀川小屋にはトイレがありました が、子供によると過去のトイレの中で最高クラスの臭いだったとのこと。トイレの横に携帯トイレスペースがあり、 そちらを使う方がいいのではないでしょうか。

     腹ごしらえして出発。小屋横に立派な橋が有り淀川を渡りますが、水がめちゃくちゃきれい。子供達もさすが 世界遺産と感嘆の声を上げてました。開聞岳の麓では空気が土臭いと言っていたユン、屋久島は空気がきれいと 感動してました。ほんと、空気も水も緑も澄んでる気がしました。淀川小屋を過ぎると標高を上げ始めますが、 急坂ではなく少しずつ登る感じです。高盤岳展望台からはガイドブックで見たトーフ岩を見物。リョンはトーフじゃ なくて助六の巻き寿司だと言ってましたが、実際そんな感じですね。展望台から15分ほどで小花之江河、25分ほど で花之江河に到着。日本最南端の高層湿原で高山植物も咲くらしいですが、GWではまだ花は見られませんでした。 花之江河はウッドデッキがあって、黒味岳や高盤岳を見ながら休める休憩スポットでした。花之江河から石塚小屋 側に少し歩くと携帯トイレブースがありましたが、きれいでした。登山道の途中何ヵ所か携帯トイレブースがあり、 それらの管理含めて500円/人の屋久島山岳部保全募金が集められていました。登山道もしっかり整備されてましたね。

     花之江河から多くのザックがデポされていた黒味岳の分岐をスルーし、ロープのある岩場を越えると展望が開け、 洋上のアルプス屋久島の山並みが広がってきます。投石平で他の登山者とともに休憩。嫁さんは投石平くらいで 引き返すつもりだったようですが、9時到着で全然余裕があるので4人で山頂へ。山並みの奥に永田岳っぽい 岩山と手前に山の陰になりながら一番高そうなピークが見え、“あれが宮之浦岳?”とテンションも上がったところで 山頂に向かいます。いやー、いいねーとリョンもご機嫌だったのですが、投石平から少し歩いたところで岩に足を ぶつけて一気にテンションダウン。しばしもう帰ると泣くので停滞。。。痛みが落ち着くまで山並みを眺めて 待っていたら、ヤクシカが登山道を歩いていく姿が見えました。ヤクシカも登山道歩く方が楽?

     アクシデントはありましたが、基本的になだらかで展望を楽しみつつ歩く気持ちの良い道が続き、安房岳を超え、 宮之浦岳まであと1kmの看板まで到着。あと1km看板のすぐ近くにロボット岩がありました。確かにラピュタの ロボット兵みたい(笑)。ここから栗生岳を越えて宮之浦岳までの200m弱の登りが最後の一頑張りで11時に宮之浦 岳に到着。8kmありますが、全体になだらかで嫁さんも子供も思ったよりすんなり山頂に着いた印象でした。 山頂では一年に370日雨が降るという屋久島で、雨も風もなく青空が広がった幸運を満喫する登山者で賑わって いました。我が家もパンとポテトチップスを食べながら360度の大展望を満喫。永田岳、かっこいいですねー。 30分ほど滞在して多くの方が向かう縄文杉方面ではなく、歩いてきた淀川口に向かいます。屋久島最深部の山並みを 目に焼き付けながら下り、投石平を経て花之江河へ。黒味岳の岩山の上に人がいるのが見えましたが、我が家はパス。 どうやって上がるの?という巨石でしたが、訪れるには体力が足りませんでした。。

     花之江河あたりで疲れもたまってきてしばし休憩。ここからは林の中に入るので山並みの展望も見納め。 もうひと頑張り(ふた頑張り?)と声をかけて下ります。ここまで子供達に着いてきていた嫁さん、さすがに 少しペースが遅れ気味。子供たちは疲れたと言いながら、二人でケタケタ笑いながら歩いていて妙にご機嫌(笑)。 リョンに至っては先に下って戻り、下って戻りと無駄に体力を消耗する行為に出る元気さ・・・ランナーズハイ みたいなものだったんでしょうか??いずれにしても最後まで元気に歩いた子供達、気を使って大分軽装にして 上げたけど過保護だったかな(笑)。大人には淀川小屋からの微妙な登りがしんどかった。。。16時20分、 約11時間のかけて淀川口に帰還。歩けないんじゃないかと心配していた嫁さんも完登して満足気(笑)。 去年の会津駒ケ岳以降、あまり歩けない時期もあったけれど、今回の九州山行で完全復活でしょうか。 5L持ってあがった水分も好天によりほぼ空、天気に恵まれて屋久島を満喫した楽しい一日でした。

     下山後は安房港付近にあるホテルオーベルジュへ向かいます。下山後の1時間の林道走り、睡魔との戦いに なるのでつらいですね。子供たちは爆睡。登山届を出した民宿永久保さんには無事に下山したことを連絡。 歩く前はホテルに着く頃には真っ暗になるのも覚悟してたので、日のあるうちにホテルに到着して良かったです。 部屋のシャワーで汗を流して夕食を待ちます。19時から夕食〜カンパチのカマ焼きやトビウオの唐揚げ、 筍の煮物などどれも美味しく、ビールが進みます。子供たちは屋久島名産タンカンジュースでしたが、こちらも 美味しかったよう。満腹になって満足したらバタンキューでした。子供たちはテレビ見て大人より後に寝て ました。。。ホテルオーベルジュは“ホテル”といっても民宿のような雰囲気でしたが、訳有り部屋でお得に 美味しい夕食を食べられた宿でした。

    第5日

     朝、6時に起きて外を見るとすでに道路が雨で濡れていました。まだ小雨でしたが、しばらくすると雨足が 強くなり、朝ご飯を食べ終わった頃には本降りでした。この日は白水雲水峡に行くプランもありましたが、 前日の疲れに加えて大雨のためトレッキングは中止。屋久島環境文化村センターに行くかとホテルをチェックアウト したのですが、お土産物屋に入ったらユンの考える時間の長いこと。。。もう2度と来れないかもと、ユン以外も 屋久島土産をかなり買い込んだのでありましたが。。。1時間近く物色して時間も無くなってきたので屋久島 環境文化村から屋久杉自然館に目的地は変更して移動。屋久杉自然館では屋久杉や縄文杉、口永良部島のお勉強。 1000歳を超えないと小杉って、年月のレベルが違いますね。お勉強の後、安房港近くの“屋久どん”さんで 昼食。トビウオだしのうどんが名物のようですが、リョンはここでもカレー。好きやねー。ほかの3人はうどん、 前日の暑さから一変して雨で肌寒い体を温めるトビウオだし、美味でした。

     さて、あっという間に屋久島の時間は終わり、13:30安房港発の高速船に乗って鹿児島港に戻ります。 雨に煙る屋久島、さすが370日雨が降る島ですが、一日ずれて大雨が宮之浦に歩く日に当たらなくてほんとに よかったです。地震の影響で急遽訪れることになったのですが、いろいろ幸運に恵まれてはるばる来た甲斐あり ました。鹿児島港に到着後、タクシーで鹿児島駅へ。慌ただしく切符を買って特急きりしまに乗り、宮崎駅を 目指します。フェリー2時間、特急2時間、乗り換え等含めて5時間かけて屋久島から宮崎駅まで一気の移動 でした。特急の中ではUNO大会・・・勝者はユンだったかな?宮崎では駅から徒歩2分のホテルリッチモンド宮崎に 宿泊。荷物を持って歩きたくなかったので駅からの近さで選びましたがきれいなホテルでした。夕食は 宮崎地鶏専門店のぐんけいで鳥三昧。九州旅行の打ち上げで、焼鳥、たたき、南蛮、もつといろいろ。 ビールに焼酎とお酒も進み、九州旅行最後の夜を満喫でした。

    第6日

     最終日、連日早起きだったので朝5時ごろ目が覚めるも家族は夢の中。早起きしなくて良いのが幸せとは子供 達の弁。朝食はホテルのバイキングへ。前日の夜にお腹いっぱい食べたのですが、再びお腹いっぱいになり ました。9時過ぎにホテルを出発して宮崎空港へ移動。もとは大分−羽田便を旅割で予約していたのですが、 地震対応で大分から宮崎へ振り替えてもらえました。大分だと早朝から移動が必要だったので助かりました。 子供たちはクラスで配るお土産を購入。学校にお土産を持って行った記憶がないですが、もらうこともあるので お返ししないととか。近頃はそういうものなんでしょうか。11:25の便で宮崎を出発して羽田、東京、郡山と モノレールや新幹線を乗り継いで帰宅。鹿児島、宮崎の100名山を3つ無事に登頂できました。開聞岳は雨、 韓国岳は強風でしたが、宮之浦岳がこの上ない好天だったのが何より。嫁さんや子供達も、しっかり歩けて 自信になったようです。旅行前に歩くのが憂鬱で行きたくないとかブツブツ言っていたリョン、九州旅行は 楽しかったと言ってくれてほっとしました。今回行けなかった熊本・大分の阿蘇山、祖母山、九重山、またの機会 を見つけて訪れたいと思います。九州は遠く、いつになることやらですが・・・。

    2016.5.28記

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