立山('15.08)



山名立山(大汝山)
地域立山連峰/富山
標高3015m
登山日2015年8月8-10日
天候
備考日本三名山、日本三霊山の一つで古くから開山された山。
立山黒部アルペンルートのおかげでアクセスもし易い。         
日本100名山/花の100名山

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    ルート

    第1日 室堂バスターミナル〜雷鳥沢キャンプ場〜別山乗越〜別山南峰〜別山乗越〜雷鳥沢キャンプ場
    第2日 雷鳥沢キャンプ場〜大走り〜富士ノ折立〜大汝山〜雄山〜一ノ越〜立山室堂山荘〜みくりが池温泉 〜雷鳥沢キャンプ場
    第3日 雷鳥沢キャンプ場〜室堂バスターミナル


     備考  累積標高差:約1500m  コースタイム:第1日 5時間、第2日 6時間、第3日 1時間

    山行記

     “夏休みはテント泊で山登りたいねー。”“歩けるか分からないよ。。。”“じゃあ、キャンプ場でも景色いい所にするわ。” “テントの中暑いから日除けが欲しいなー。”“よし、タープを買おう。”“ご飯は?”“なんとかなるでしょ。 温泉もあるし。1時間歩くだけだから。”なんだかんだと嫁さんを説得して立山へ繰り出したのでありました。

    第0日

     至仏山でのテン泊歩きに気を良くし夏休みは北沢峠から甲斐駒・仙丈へと思っていたのですが、嫁さんの体調が 今一つ。北沢峠では山に登れなかったときに展望もないしつまらないだろうと、キャンプ場にいても景色が良く、 温泉もある立山の雷鳥沢キャンプ場に行き先を変更。1泊2日の至仏山ですでにザックがパンパンで2泊3日分の 装備が入らないことを悟ったので嫁さんに続き自分様にも65Lのザックを買ったり、食料を買い込んだりと いそいそと準備を進めたのでありました。次から次へと山道具の増殖が止まりません。。。それはさておき、 金曜日に早めに仕事を切り上げて帰宅し、最後のパッキングとユンのテニス教室の帰りを待って20時出発。 磐越道、北陸道を経てアルペンルートの玄関口である立山駅まで嫁さんと交代しつつ睡魔と闘いながらひたすら 走ります。空いている道で快調とは言え、400qの道のりは遠い。。立山ICを下りてからガソリンを入れたいと 思ったが深夜でもありどこもやっておらず1時頃に立山駅に到着。ガソリンは高速道路で入れないとですね。 駅近くの駐車場は8割くらいは埋まっていたが空きスペースに泊めてすぐに就寝。ちなみに子供たちは家を出てから 到着までほぼ寝続けていた。その寝れる力もうらやましい。。

    第1日

     翌朝4時半頃起床。空は白んでいて2度寝できなそうなので立山駅に様子を見に行くと当日券を買う人の行列が少し 出来てました。美女平に向かうケーブルカーの始発は6:00ですが、当日券の発売は5:20からでした。5時頃から 並んで6:10の便も購入可能でしたが、朝支度が間に合わないので7:00発の便を購入。・・・並ぶ必要もなかった んですが暇だったもので。駐車場に戻ると隣に駐車されていた方がいて少しお話。ルーフテントのハシゴが邪魔 していて心配していたのですが気さくな方で助かりました。4時半の時点で最寄りの駐車場は満車になってました。 6時過ぎに家族を起こして朝食を食べ、準備して無事に7時のケーブルカーに乗車。結構ギリギリでした。 美女平でバスに乗り換え室堂まで約1時間の道のり。快晴で車窓の景色も素晴らしく、到着した室堂ではすでに 絶景が広がっていました。6年振りですが、やっぱり素晴らしい景色ですねー。

     まずは雷鳥沢キャンプ場までテン泊装備を背負って歩きます。立山三山、天狗平と雲海、、みくりが池、血の池、 地獄谷、奥大日岳、1時間の遊歩道歩きは荷物が重くても見飽きぬ景色に気分良く歩けます。キャンプ場はどこだと ぶつぶつ言っていたリョン、思ったより早く出てきたキャンプ場を見つけてご機嫌に。雷鳥荘から見下すと結構 下の方に見えるねえ。さて、憧れの雷鳥沢キャンプ場に無事到着。立山三山に囲まれた素晴らしロケーションに 広いテントサイトが広がっていて、いるだけで幸せ気分に浸れます。水場が近いキャンプ場の入り口付近に スペースを見つけて設営開始。重り用の石がたくさん転がってましたがペグが普通に刺さるのでペグを使って設営 したところ、試しに抜こうとしたら全然抜けません。。。後で子供たちが遊びがてら抜いてくれましたが、 石の方が撤収は楽なようです。設営を終え、ユンとリョンのザック+新調したバルトロ65Lのサブザックに 日帰りハイク用の装備を詰めて出発の準備完了。ちなみに新調したザックは嫁さんと同じグレゴリー。 オスプレーのアトモスAGと悩んだのですが、ザックカバーとサブザックがついていて、ヒップベルトのポケットが 片側防水でカメラをしまうのにちょうどよいのに惹かれてバルトロにしました。あまり使わないだろうなと 思っていたサブザック、今回の山行では大活躍でした。

     今日は登らないという嫁さんはサイトで待機となり、子供と三人で10:20に剱岳の展望台になる別山を目指します。 雪の残る浄土沢を渡るとお花畑が広がってました。立山、そこらじゅうがお花畑でいろんな花が咲いており、 お花好きの方は楽しめそうです。別山乗越に向かって登り始めると“あれっ・・・”しんどい。。。 荷物が重いわけでもないのに足取りは重くてすぐに休憩。暑くてのどの渇きも早く3人で水分はどんどん消費 していきます。重そーなザックを背負って剱岳に向かう人たちと同じくらいのペースでえっちらほっちら歩を 進め、剱御前小舎に12時過ぎに到着。一応コースタイムくらいで登りましたがテン泊装備背負ったら絶対無理 ですね。。。大賑わいの剱御前小舎で剱岳を眺めながらお昼ご飯。パンと満足バーでしたが満足バーは日差しに やられてどろどろバーとなってしまい、溶けたチョコレートを食べることに。夏場は他のバーにした方が良いようで。 剱御前小舎の飲み物は500mlのペットボトルが500円、子供たちに自分で作ると500ml50円だよと粉のアクエリアスを 水に溶かして渡し、水を持ってくる甲斐を諭す(笑)。みくりが池温泉ではペットボトル250円、山深くなると ともにお値段が上がるのはしょうがないですね。

     昼食を食べて一息ついてから別山を目指してもうひと登り。標高差は100mほど、見晴らしの良い尾根道で 40分ほどで社のある別山南峰に到着。予定では別山最高地点の北峰まで足を伸ばすつもりしたが暑さにやられて しんどいのであっさりパス。子供達と眼前に広がる剱岳の雄姿を眺めて休憩。子供たちがお隣さんが焼いている ソーセージを物欲しそうに眺めていたのがばれたのか、なんとおすそ分けをいただき、思わぬ山頂ごちそうに ありつきました。ありがとうございました。ソーセージも食べて、そろそろ帰らねばと13:45に別山南峰を出発。 帰路は休憩も少なめで歩いたものの、疲れもあってこちらもコースタイム程度で15:20雷鳥沢キャンプ場到着。 寝不足のせいか、暑さのせいか、3000m級の標高のせいか・・・とにもかくにも別山は思ったよりしんどかった。 水分も3.5L持ってあがったが下山中に空っぽ。サイトに戻って水場に直行したのでありました。高山病対策には 水の摂取が重要というのを読んだことがあり、熱中症対策だけでなく高山病にも重要なようです。

     サイトに戻って一息ついたら温泉へ。ロッジ立山は16:00までで間に合わないので18:30まで営業している 雷鳥沢ヒュッテに向かいます。受付は登山客で大賑わいで、玄関先ではビールを飲みながらまったりされている方たち。 我々も入浴料600円×3を払って温泉へ。それほど大きくないので洗い場は順番待ちでした。見てるとシャワーがなく、 水圧も弱めなので桶に水をためる時間がかかり気味でしたが、ちょうど浴槽の横の席が空いたので浴槽のお湯が使えて さくっと洗えました。山の中なのにシャンプー、石鹸完備、尾瀬を超える快適さに大丈夫なのかと心配になるくらい。 日焼けでひりひりする体をしばらく浴槽に沈めて疲れを癒して受付に戻ると、今日は歩かなかったので温泉に 入らなかった嫁さんがカップラーメンを食べ終えて片付けるところでした。。。なんでも昨日の夜にPAで見た ラーメンが頭から離れず無性に食べたくて仕方なかったとか。今はやりの“妖怪のせい”でしょうか(笑)。 子供たちは風呂上りにアイス、大人は夕食用にビールを買ってサイトへ。ちなみにカップラーメン350円、 アイス200円、ビール500ml500円、350ml400円でした。まずまずの山価格かな。

     温泉から戻ると17時を過ぎおなかも空いたので早速夕食を作ります。この日のメニューはとんこつ鍋と ソーセージ、ご飯。至仏山では無理やり鍋だったので今回はもらいものの鍋の素持参で味もばっちり。 夕方から一気に涼しくなってきたので温かい鍋を美味しくいただきました。問題はご飯で炊け具合は今一つ。 “ふりかけないとダメだね。”という嫁さんや子供の突っ込みを受けるもふりかけは持っていき忘れたので、 “鍋のスープで食べるべし!”ときっぱり。次回はもう少し上手く炊きたいものだが、気圧が低くて 沸点が低かったのが失敗要因としておきましょう(笑)。夕食後は夕暮れの山々や満天の星空を眺めてゆったりした した一時を過ごす。嫁さんとリョンは流れ星を見たようだが、自分とユンは白山に続き見れず。。でも天の川まで しっかり見れました。日が暮れてきてからはTシャツ、長そで、フリース、ライトダウンと着込んでちょうど いいくらい。真夏なのに日中の暑さが嘘のように冷え込みました。この日は20時過ぎに就寝。

    第2日

     2日目は5時前に起床。うっすら白んでいる空には雲がなく、この日も好天が期待されます。朝食はサタケの マジックライスなのでお湯を沸かして入れるだけ。先に起きてきたユンとモーニングコーヒーを飲みながら 出来上がるのを待ち、出来たところで嫁さんとリョンを起こして朝食タイム。日の出の時間を過ぎても 山に隠れて日が当たらないので結構寒かった。2日目の歩く準備をして6:30頃雷鳥沢を出発して大汝山を目指します。 当初は2日目もサイトに待機予定だった嫁さんですが、一日待ってるのも暇だし、ゆっくりなら歩けそうだという ことで、4人で山頂を目指します。どうも大汝休憩所が映画“春を背負って”のロケ地だったことが最後の 一押しになったようです。・・・まだ映画見てないので見なきゃ。。

     雷鳥沢からはまず大走りを経て真砂岳を目指します。お花畑の賽の河原を過ぎるとすぐに急な登りになりますが、 前日と違って快調。朝のうちは日陰で涼しいし、寝不足が解消されたのも要因と思われ、それほどつらくなく 標高を上げていく。陽が出てきてからも遠く白山まで望める素晴らしい眺望を満喫。真砂岳の稜線まで出ると 内蔵助カールの奥に後立山連峰の山々がドーンと現れて更なる絶景が迎えてくれました。晴れてるって素晴らしい。 富士ノ折立までの岩場を登ると3000mまであとわずか。遠く富士山まで見える稜線を歩くことしばしで大汝山には 9:40頃の到着でした。嫁さん、空荷でしたがコースタイム弱で無事に山頂到着。子供が荷物背負ってて、 自分が空荷のため他の登山者に冷やかされたのが恥ずかしかったようですが、素晴らしい絶景を見ることなく 一日キャンプ場にいなくて良かったねー。

     大汝山からは北アルプスの山並みが一望の大パノラマが広がってました。白馬三山から笠が岳まで 数々のピークが連なる光景が圧巻でした。次はどこに行こうかと目移りしますねえ。大汝山の山頂で記念撮影 したり、お昼ご飯食べたりで大休憩し、10:30頃にようやく雄山へ向けて出発。大汝山までは人が少なく、 静かな山歩きでしたがここからは人が増えてきてすれ違いも多い。稜線上で道幅は狭いので譲り合いながら 雄山に到着すると神社は大混雑でした。夏休みの日曜日、ものすごい人気ですねー。雄山神社の登拝も順番待ちの ため、登拝料を払ってからしばらく待機。順番が来て祭壇前に上がり、狭い敷地に座ってお祓いを受け、お神酒を もらって登拝終了。御利益ありますように(笑)。白山、立山と日本三霊山に登ったので後は富士山ですが、 人出のすごさを聞くとなかなか足が向かない日本最高峰です。。雄山でも登拝のためしばらく滞在したので そそくさと一ノ越に向かって下山を開始したものの登山道は大混雑でスピードは全く上がりません。 道も滑りやすいのでスニーカーで来ている人達は特に歩きにくそうでした。うちの子たちもはじめスニーカーで 歩いてたころは滑りまくってたのを思い出しました。成長したし、歩きなれてきたのもあってか大分こけなく なったなあ。

     一ノ越に降りたのは12:20頃、雄山から1時間かかりました。当初の予定では一ノ越から浄土山を歩いて立山 三山制覇が目標でしたが、日焼けがヒリヒリ痛い。嫁さんも膝が痛くなってきたので下山すると。子供たちは やる気の問題でもう登るの嫌だと。。。じゃあ、温泉に行くかいなということでみくりが池温泉へ直行です。 一ノ越からは舗装された道で所々雪渓が出てくるものの安全な道。道幅もあるので渋滞にもならず13:30頃に 温泉到着。みくりが池温泉は日本最高所の温泉らしく、日本秘湯の会の提灯もぶら下がってました。 入浴料は大人700円、子供500円。シャンプー、ボディソープに加えてシャワーも有り、脱衣所や浴槽はやや 小さいくらいで普通の温泉と同じで快適でした。日焼けのヒリヒリがひどすぎて首と腕はお湯につけられず。 これまで夏場の山歩きでここまで日焼けで苦しんだことがなかったんですが、よく考えると雨や曇りが多くて カッパや長袖をきることが多かったのでした。次回からは日焼け対策をしっかりしないとと強く思ったのですが、 今回は時すでに遅し。。。さて、風呂上りに喫茶みくりに立ち寄り大人は生ビール、子供はソーダフロートで乾杯。 歩いた後に風呂上りのビール、最高の一杯でした!ソーダフロートは写真より立派で子供達にはうれしい誤算、 お店は写真で損してますね(笑)。

     大汝山頂以降休憩してばかりで、みくりが池温泉でも1時間以上滞在し、雷鳥沢キャンプ場に戻ったのは15:15頃。 快晴の下、無事に家族は初の3000m峰登頂を果たして大満足でした。サイトに戻ってからしばし休憩〜大人は30分超、 子供たちは1時間以上のお昼寝タイムとなりました。真昼間は暑いテントも夕方になると寝ていられるくらいの 温度でした。自分はテントの外でいつのまにか寝てしまってましたが。。昼寝から覚めると夕食です(笑)。 2日目の夜は早ゆでペンネとゴマスープ、缶詰3つ(サバ、ベーコン、マテ茶鳥)。ガーリックトマト味のペンネは ご飯と違っていい感じ。至仏山で不評だったマジックパスタよりおいしいと家族にも好評。調理時間も短いし、 なかなかいいかも。缶詰をつまみにみくりが池で仕入れてきたアルコールを飲んだ頃にはお腹いっぱい。 食後は昨日と同じようにアーベントロートに染まる山を眺めながら山時間を過ごします。だんだん雲が出てきて 星はあまり見えなかったので早々に就寝しました。

    第3日

     3日目も4:30頃起床。撤収して帰るだけなので早起きの必要はないのですが寝るのが早いこともあって目が覚めて しまう。結露がすごいテントとタープから出ると三日月が輝いてました。テン場の朝は早く、準備をする方、 のんびり山を眺める方など、すでに活動されている方が見られました。真砂岳の少し下にはヘッドライトの明かりも。 ご来光を見に登られていたでしょうか。一体何時に登り始めたのかという距離ですが。。。6時頃に前日に続き アルファ米で朝食を済ませて撤収開始。結露に濡れたテントやタープを乾かしながらパッキングを進め、8時前に 作業終了。この日も快晴で名残惜しい気もしますが、暑くなる前に帰ります。雷鳥荘までの階段の登り、テン泊装備 にはなかなか効きます。息を切らせて登り、みくりが池温泉へ立ち寄り・・・前日買ったTシャツをカウンターに 忘れてきてしまい、Tシャツがないか訪れたのですが、しっかり取り置きしていただいており無事に受け取れました。 キャンプ場でパッキングするときに気付いたのですが、普段なら当日にそのまま帰路に着くので気付くのは家に 帰ってから、取りに行くの不可能でした。危ない、危ない。

     みくりが池の近くで人だかりがしていたのでもしやと思ってみると、やはり雷鳥さん。親鳥とひな3羽が ちょこちょこ歩いてました。なかなか見つけられなかったユンもなんとか見つけて立山の最後を思い出に。 ちょっと遠かったので緑に紛れてなかなか分かりにくかったね。9:20室堂発のバスにぎりぎり間に合って 下山。ケーブルカーを乗り継いで立山駅に戻り、スタンプラリーの景品もゲット。3日間とも天気に恵まれ、 素晴らしい山行となりました。家族も“白山以来の素晴らしい景色だねー。”と大満足。歩いた甲斐あった でしょ(笑)。

    2015.8.15記

    山歩き中のキャンプ場
    2015年8月8-10日 雷鳥沢キャンプ場

    山歩き後のキャンプ場
    2015年8月10,11日 雨飾高原キャンプ場

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